北京ひまつぶし

北京駐在中のおもしろい出来事を、皆様にお伝えします。


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前門地区再開発

都一処

北京の前門地区は、東京の浅草のようなにぎやかなところです。

中心の前門大街には、北京ダックの全聚徳、シュウマイの都一処、上海料理の老正興飯荘といった老舗レストランが軒を連ね、
一本横に入った大柵欄には、薬の同仁堂、お茶の張一元、中国服の瑞蚨祥、布靴の内聯昇等の北京を代表する名店が並んでいます。

一方、それら名店の隣では、客がバッタ物を値切り倒していたり、庶民の大好きな軽食"小吃"を出す、清朝の時代から続くけどきれいとは言いがたいお店が賑わってたりします。

以前に紹介した妓楼があるのもこの地区ですし、落ち着いた胡同に古い四合院がそのまま残っている一角もあります。

私が北京で最も好きなお散歩コースのひとつです。

昨日も、まだ食べたことのない小吃、"炒肝"を食べに、前門に行きました。
"炒肝"といいますが、実際は豚の腸を使った料理で、モツ煮込みみたいなものです。
向かった先は鮮魚口街にある天興居飯店。
汚いですが、これも清の時代に開業した老舗です。




ところが、前門大街にある大柵欄のバス停でバスを下りてびっくり。
周囲の店が、軒並み店じまい投売りセールをやっています。

都一処や老正興飯荘にも「停業」の張り紙が貼られ、営業していません。
近くに移転して営業を続けているようです。

老正興

いよいよこの地区でも都市再開発が行われようとしています。
1ヶ月前に来た時は、移転、閉店の様子はまったく見られなかったのに。

隣の電気用品店では、「(政府の)修復整理を支持し、店じまいの投売りセール」と書かれています。
中国的なわざとらしさですね。
どこに、面倒な引越しを強要する政府の政策を支持する人がいるんだ?

電気店

確かに、前門を歩行者天国にして車は1本西側の煤市路を通させる、
という計画を聞いたことがあります。
丁度、王府井をホコテンにしてバス通りを校尉胡同に移したのと同じですね。

煤市路は狭いので、バス通りにするには大規模な取り壊しが必要と思い、今年7月に写真を撮っておきました(下の写真左側)。
同じ場所で昨日撮った写真(右側)と比べると、取り壊しが進んでるのがわかります。

煤市路夏煤市路今

というわけで、てっきり前門大街に沿った店だけが整理の対象だと思ってました。
そこで、"炒肝"を食べに、都一処の角を鮮魚口街に曲がりました。
この道は、地方からの出張者の簡易旅館や食堂、地元の人向けの市場が並ぶ通りで、
いつも賑わっていたものです。
でも、この日は感じが違います。
どうも活気がない。

前門大街から入ってすぐのところに、全聚徳と並ぶ北京ダックの老舗「便宜坊」があります。
ここの入り口に、政府の取り壊し通知が張り出されていました。
具体的にどの通りの何番地が取り壊されると書いてあります。
前門大街は軒並み取り壊しです。
それ以外は、地域のすべての家を取り壊すのではなく、古くて危険な家屋に対象を絞っているようです。

通告本文

取り壊し番地

おじいさんとおばあさんの二人連れが通知を見ながら話してました。
「あれまあ、xxxx胡同も取り壊しの対象かね。ずっと向こうのほうじゃないか。」
私はどの通りがどこにあるのかよくわかりませんでしたが、相当広範囲に及んでいるようです。

「便宜坊」も由緒ある前門の店を閉じるようで、他の支店に行って欲しいとの張り紙が出てました。

便宜坊

肝腎の天興居飯店もなくなっています。
ああっ失敗した。前回通りかかった時に食べておけば・・・。後の祭りです。

鮮魚口街を奥に進んでいくと、取り壊し中の家がありました。

取り壊し中


散歩をしていたら、取り壊し業務を行う事務所を何ヶ所か見かけました。
ここは立ち退いた食堂を使っているようで、「切麺」「饅頭」の文字が見えます。
「人を基本に、危険を排し、風貌は保護して、大衆に福をもたらす」
そんなスローガンが掲げられています。

移転事務所


あちこちの壁に、「地区住民への手紙」が貼ってあります。
ざっとこんな内容です:

11月21日の取り壊し通知以来、既に83.9%の住民が立ち退いた。
12月31日までに立ち退かないと、一家に55,000元(約80万円)の奨励金がもらえない。
早く立ち退きなさい。

これは、12月15日付の手紙です。
12月10日付だと、立ち退き率が76.8%です。

11月21日の通知も見つけました。奨励金の詳細が書かれています。
12月31日までの第一奨励期間に立ち退くと、一家に55,000元(約80万円)の奨励金、
これが、1月9日までの第二奨励期間では、金額が2,500元(約3.6万円)に激減します。

引越し中

55,000元の奨励金は結構大きいですね。

この日も、あちこちで家財道具をトラックに積み込んでる人、不要な品物(ほとんどはガラクタにしか見えない)を業者に売っている人、取り壊し現場から木材など使えそうなものを大八車で運び出している人、などなど。
この地区から出て行く人々をたくさん見かけました。

お仕着せのスローガンはともかく、ほとんどの人、特に年配の方々は移転などしたくないでしょうね。

奨励金をちらつかせて早期立ち退きを求める「手紙」に、「取り壊し反対」の落書きがされていました。

移転反対

再開発の対象地域に、利群烤鴨店という北京ダックの店があります。
全聚徳で修行したコックさんが、奥さんの実家の四合院を改装して開いたお店で、いつも多くの外国人でにぎわってます。
奥まった胡同の中にあるので、中国人のお客さんをお連れしても、その雰囲気を気に入ってくれます。

この店も取り壊されてしまうんだろうか?
一応取り壊しリストには、ここの住所は書かれていませんでした。

店の前まで歩いていくと、丁度ウェートレスさんが出てきました。
私「この辺は再開発しているけど、この店も取り壊されちゃうんですか?」
ウ「わかりませんが、まだ立ち退きの通知はもらっていませんよ。」

とりあえず大丈夫みたいですね。

利群

ところで、この再開発は不動産屋さんにとっては千載一遇の好機です。
商売上手な中国人が、この好機を見逃すはずはありません。

取り壊されている家屋のその脇で、不動産屋さんが物件の紹介資料を張り出しています。

取り壊し家屋と不動産広告

紙を貼るだけでなく、担当者が相談に乗っているところもありました。

道の脇では、ライトバンを停めて横断幕を掲げ、不動産購入の流れを図示した看板まで出している業者がいました。
カメラを向けたら、撮影お断り。

不動産紹介


古い街並がなくなるのは忍びない、とか
辛い目にあうのはいつも一般人民だ、とか
再開発には相当の利権が絡んでるんだろう、とか
第三者としては色々なことが言えます。

あの胡同の家から出てきた老夫婦は、立ち退きとなると大変だろうな。

でも、この時代の中で首都北京の行政を担う方々は、心を鬼にして人に嫌われることもしなければならないだろうな、

そんな感想が浮かびました。
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  1. 2005/12/19(月) 23:47:18|
  2. 北京でお散歩
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:6
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コメント

取り壊し

きむさん、いやしんぼさん

事務所の運転手の話です。
以前はある地区のすべての家を皆取り壊してしまったのですが、そうすると昔から住み着いていた蛇だの鼠だのが大量に出現して、問題となったそうです。
最近は一帯をすべて取り壊さず、動物が移動する場所を確保するようにしているそうです。

今回の危険な建屋の取り壊しは、選択的に行われるようなので、古い家並みがまったくなくなる事はなさそうです。でも、前門大街は王府井のようになるのでしょうね。
  1. 2005/12/20(火) 18:15:08 |
  2. URL |
  3. 山大22号 #-
  4. [ 編集]

再開発

先週金曜日に知り合いが北京に来て泊りが「新北緯飯店」だったので地下鉄で前門までバスに乗り換えようと思ってバス停まで歩いて行ったらこのあたり一帯が軒並み工事中でした。

10数年ほど前まではバスターミナルの前は一杯屋台が出てて1つ2元の弁当を売ってました。

今みたいに柵もなく、道路も自由に横断出来ました。いまは何かと言うと地下道をくぐらないといけないのでほんと不便です。

まだ陸橋のほうがましとおもいます。

そうですか「都一処」まで立ち退きなんですか?
旧い町並みがみんな壊されて王府井みたいに変わってゆくんでしょうか。

残念ですね。
旧い北京があればこそ好きで北京にいるのに
近代的な街ばかりになったら。。。。

どこかに移住を考えないといけません。
とりあえず「利群烤鴨店」は無事で良かったです。
  1. 2005/12/20(火) 12:27:58 |
  2. URL |
  3. いやしんぼ #-
  4. [ 編集]

なるほどねぇ。。。

立ち退きですか。
うちのスタッフにも4年ほど前に四合院から追い出されたのがいます。結構大変みたいですね。
前門なんかは逆に残しておいたほうが外人の受けもいいだろうに、とにかく何でもかんでもきれいに見せようとする方向性には賛成しかねますね。
そういうところに大衆の不満がたまり、また爆発しないことを願うばかりです。。。
  1. 2005/12/20(火) 09:01:09 |
  2. URL |
  3. きむ #-
  4. [ 編集]

yanboさん

ブログでリンクいただき、ありがとうございます。
下段のTBは削除させてもらいました。
ところで、yanboさんはリンクを貼る時にハイパーリンクを使ってますよね。あれって、どうやるんですか?

ISRさん

コメントありがとうございます。
炒肝は食べておいて良かったですね。
ブログをチラッと拝見させていただきました。腰を落ち着けて読ませてもらいます。

私は来年6月にドイツに行こうと思ってます。もちろんワールドカップです。
  1. 2005/12/20(火) 08:25:12 |
  2. URL |
  3. 山大22号 #-
  4. [ 編集]

初めまして。再開発、ついに始まったんですか。今夏、列車の中で知り合いになった中国人に、都一処と鮮魚口街の炒肝の店に連れて行ってもらいました。自分ひとりでも何回か歩き回った好きな場所なので切ないです。寒さに加え、立ち退きや引越しは心情的にもさぞ辛かろうと思います。
  1. 2005/12/20(火) 05:42:27 |
  2. URL |
  3. ISR #HfMzn2gY
  4. [ 編集]

ショック2つ

山大さん、記事読んでビックリしました。ショックです。仕方がないとはいえ、やはり寂しいものがあります。自分のブログでも取り上げさせて頂きました。
山大さんにTBしようと、よく分かってないのに「FCブログユーザー」なるもの使ってみたら案の定失敗しました。これまたショックです。
ごめんなさい。お手数ですが1つ目(下段)のTB削除願います。(ぺこり)
  1. 2005/12/20(火) 01:05:28 |
  2. URL |
  3. yanbo #-
  4. [ 編集]

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ちょいとショックです

北京に住んでる山大22号さんのブログを拝見したらば、前門がすごいことになっていたよっ、ばーちゃん!前門てのは天安門広場の南側・正陽門から始まる前門大街を中心にしたエリ
  1. 2005/12/20(火) 01:59:37 |
  2. ボウエンキョウとケンビキョウ 2

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Author:山大22号
横浜の会社から派遣されて
北京駐在中。
サッカーと食べ歩き(飲み歩き?)は
生涯現役が目標です。

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